HCDまつりに参加
12/4に、HCDまつりに参加してきました。
毎度ですが、講師は浅野智先生。
今回のテーマは、事例報告とアクティングアウト。
タイムスケジュールはこんな感じです。
10:30 | 事例報告会 |
---|---|
12:00 | 休憩 |
13:00 | 講義 |
13:45 | シナリオとタスクの検討 |
14:30 | ペーパープロとタイピングの作成 |
16:00 | アクティングアウトの練習 |
18:00 | 発表(講評をしながら) |
19:00 | 終了 |
事例報告会
事例報告会は以下の4名が話されました。
メモしたものを、箇条書き。
アップルップル 山田さん
- 開発の人にアンケート
- 関係者の中でもどうゆうサイトをつくりたいかとか違う
- 部署毎にヒアリング
- ヒアリング前にある程度その人の事を知っておいてから
- ヒアリングする事によってどうゆうコンテンツを作ったらいいか分かった
ルーコ 鈴木さん
ユーザ調査前は、TOPページをやるべきだろう→他に優先した方がいい箇所がに変わった
聞く人の選定
- 豊田市に興味ないとか、ブログ・インターネットに興味ない人に聞いてもダメ?
- ブロガーに聞いた(twitterや面識ある人
自宅へ行く意味(現地調査
- 信頼関係(ラポール)がつくりやすい気がする
- 生の情報量が多い
- iPadがでてきた
分かった事
- TOPページを全く見ない人がいる
- ネットリテラシーの低いヘビーユーザー
- 「他のブロガーに会いたい」の中身
- ランチの価格帯と品質の妙(関係ない)
失敗
- シナリオ作りはその日のうちに
- レコーダーに頼ると、ただの「テープ起こし」に
- ふと気付くと自分の主観が入っている
- アクセス解析ではわからないニーズをみつけられた
アクアリング 平野さん
IAとは
- 人と情報をつなぐための、技術であり思いやりだ
- 誰に なにを どう伝えるか
- 人の事、情報の事、知らないと伝えられない
ペルソナの活用事例
- ペルソナ作る時に、ものすごい数のヒアリング
- ペルソナにゴールを入れていない(実際は設定している)
- とにかく、メンバー間で人物像だけ共有したかった
- 彼等に色んなシチュエーションで使いたかった
シュチュエーション
ユーザ体験シナリオ
分析レポート
ドキュメントにする事が大事(それだけでお金になったりするインプット→アウトプット→トライ
ペルソナとシチュエーションの2軸で考える
ブレがない、漏れがない、俯瞰的に見れる
浅野先生
- UXをどうやって実現するか
- アウトプットするとインプットが増える
- なんだかわかんないネーミングが売れる
- プロダクトデザインの分野ではHCDはやってる
インターネットサービスの分野ではまだ
インターネットサービス事業特有の文化や環境
- プロダクトアウト型プロジェクトが多い
- プロジェクト期間が短い
- 経験やノウハウの蓄積が不十分
インターネットとHCDの親和性
- サービスリリース後でも改修対応ができる
- ユーザのフィードバックを得やすい
HCDを浸透させるフロー
- 講演会
- ペルソナつくる
- 会社で講演会
- コアになる人物をつくる
- 推進する担当者をつくる
下流プロセス(とっつきやすい
- プロトタイピング
- ユーザーテスト
上流プロセス(とっつきにくい
- ユーザー調査
- ペルソナ
- シナリオ
講義
お昼からは講義です。
今回はアクティングアウトのお話。
アクティングアウトとは?
アクティングアウトは、開発者がその製品やサービスを使用するシーンを、寸劇のような形で演じることにより、オーディエンスからの反応を知覚し、自らの気づきや振り返りに活かす手法の名称である。
コトのスケッチ
- 現在ではデザインというものはモノや概念を作り出すだけではない。
- 目に見えない時間軸も含めたソフトウェアやサービスまで対象となってきている。
- それらのものすらも、理解するためにスケッチをするという必要性が高まってきている。
目に見えない時間軸も含めたソフトウェアやサービスのスケッチをするための手法がアクティングアウトになります。
理解の対象 | 表現手法 |
---|---|
モノのスケッチ | プロトタイプ |
概念のスケッチ | ダイアグラム |
コトのスケッチ | アクティングアウト |
浅野先生のブログに、アクティングアウトの詳しい記述があります。
アクティングアウト考(1)
アクティングアウトの種類
アクティングアウトには、以下の4種類があります。
- 人工物の振る舞い
- ユーザ再現
- シミュレーション&オズの魔法使い
- プレゼンテーション
アクティングアウトの種類によって、得られる気づきが変わります。
アクティングアウトの種類 | 得られる気づき |
---|---|
人工物の振る舞い | 人工物・環境 |
ユーザ再現 | ユーザ・環境 |
シミュレーション&オズの魔法使い | ユーザ・人工物・オーディエンス |
プレゼンテーション | オーディエンス |
アクティングアウトが紹介され使い始められた時期には「人工物の振る舞い型アクティングアウト」が主流で、徐々にHCDプロセスの導入と同期して「シミュレーション型アクティングアウト」が行われるようになったと考えられるそうです。
それは、「シミュレーション型アクティングアウト」の方が、得られる気づきが多く、また評価手法として開発現場での使い勝手が良いからだろう。との事です。
そしてワークショップ
ここからはチームに別れてのワークショップです。
お題はこう。
- 以前書いたアクティビティシナリオとインタラクションシナリオを出してください。
- 両方のタスクを確認して作業ステップに切り分ける。(タスクベース)
- インタラクションシナリオに合わせたインターフェースを大きめのペーパープロトタイプで作る。
- アクティビティシナリオに沿った寸劇のシナリオを書き練習する。
タスクをステップに切り分ける。
以前のワークショップで作成したアクティビティシナリオを使って、タスクを細分化していきます。
アクティビティシナリオを細分化するので、ひとつひとつのステップは、抽象的な行動内容になります。
その後、細分化されたステップを、インタラクションとしても書き出していき、より具体化させます。
ペーパープロトタイプを作る
インタラクションとして具体化させた行動を元に、必要なペーパープロトタイプを作成します。
行動の結果を全て網羅しないといけないので、結構な数になりました。
寸劇のシナリオをつくる
細分化された、ステップをもとに、寸劇のシナリオをつくります。
ユーザー役はアクティビティシナリオを演じ、人工物役はインタラクションシナリオから、作ったペーパープロトタイプを動かします。
練習しながら、無理のあるところ・足りないところなどを保管しながら完成させました。
という流れで行いました
いままでのワークショップと違って、時間的に結構余裕があり、じっくり考える事ができた気がします。
実際皆の前での寸劇も、好評価でめずらしく先生から及第点がいただけた気がします。
平野さんからも講評をいただきましたが、自分たちが気付けていない部分の指摘をいただいたりして、「気づき」を実感できた気がします。
HCD2010
2010年のHCDの勉強会は以上でした。
今年は1年間、HCDに関してとても多くの事を勉強させていただきました。
来年はこの勉強した事を、少しずつでも業務にとりいれて行ける動きができればなと思います。
トライしないとですね。
また来年は、今年と同じように初級のコースからセミナーが行われるようですが、自身も関われるような事があれば、アウトプットの為にもできるだけ関わっていければなと思います。
講師の浅野先生、主催のモンキーワークスの方々、ありがとうございました!